過大・過小評価された子宮内膜細胞診の再評価

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  • The availability of a reporting system for endometrial cytology

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抄録

目的 : 子宮内膜細胞診の診断精度向上と均一化を目標として作成された「子宮内膜細胞診断システム」の有効性を検証する.<br>方法 : 三重県の鈴鹿中央総合病院, 山田赤十字病院, 山本総合病院において診断に用いられた子宮内膜細胞診標本のうち, 組織診断との比較により過小もしくは過大に評価されたことが判明した 58 例を対象とした. 本診断システムを適用し, これらの細胞診標本を 4 人のメンバーで再評価した.<br>成績 : 再評価により, 58 例中 12 例が不適性標本と診断され, このうち 11 例において採取細胞不足が原因と判断された. 10 例の参考診断, 36 例の診断可能の計 46 例について, 診断システムを用いて診断を行った結果, 過去に過小評価された 27 例中 25 例が新たに「組織診断が必要」と診断された. 一方, 過去に過大評価された 19 例中 19 例すべてにおいて「組織診断を必要としない」と診断された.<br>結論 : 「子宮内膜細胞診断システム」を用いた細胞診断は, 診断精度の向上に寄与すると思われる. 今後, 本診断システムが多施設で検証され, 改良が加えられることにより, 精度が高く施設間での格差が是正された内膜細胞診断が実現されることが期待される.

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