101 北海道上川・十勝地方における戦前期町村役場庁舎について(建築家・建築史一般,建築計画、都市計画、農村計画、住宅問題、建築歴史・意匠)

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  • 101 A study on town-halls in Kamikawa and Tokachi districts of Hokkaido before World War II

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抄録

北海道の近代建築に関する研究は、札幌や小樽、函館といった都市部が主で、その他の地方は現存するものの個別報告など、断片的にしか行なわれていなかった。本論は町村役場庁舎を調査することによって、地方町村における近代建築の展開の一部を明らかにすることを目的とする。後志・渡島地方における戦前期の町村役場庁舎については既に研究がある。これらは、北海道の開拓期に施行された特殊な行政制度である戸長役場制、北海道1・2級町村制と役場庁舎を関連付けてとらえ考察を行なっている。後志・渡島地方は、はやくから沿岸部を中心に開拓が進んだ地方である。本論は、明治中期以降に入植が進んだ内陸部である上川・十勝地方を取り上げた。先の研究と同様、行政制度と関連付けるとともに、後志・渡島との比較を通してそれぞれの地方における町村役場庁舎の展開について考察を行なった。現行の上川・十勝地方に属し、戸長役場制が実施された明治5年から、1・2級町村制が廃止された昭和18年までに、町村役場庁舎が設けられた上川地方35町村、十勝地方22町村を対象とした。市町村史を主な資料として、上川地方38棟、十勝地方29棟の新築庁舎の外観を確認することができた。

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