理科の学習における自己効力の違いが,生徒の学習目標の設定に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Self-Efficacy and the Formulation of Learning Goals in the Science Class
  • リカ ノ ガクシュウ ニ オケル ジコ コウリョク ノ チガイ ガ セイト ノ ガクシュウ モクヒョウ ノ セッテイ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

<p>本研究は,理科の学習における自己効力の違いが,生徒の学習目標の設定にどのような影響を及ぽしているか,その因果関係を生徒の自己効力の分析から明らかにしようとするものである。またその結果から,理科の学習での自己効力を高める学習指導の可能性を明らかにしようとするものである。分析は,理科の学習に対する動機づけの異なるAとBの2群を仮定し,両者を比較検討した上で進めた。その結果,以下のことが明らかになった。1. A群は, B群より学習目標の設定や,「リハーサル方略」を除いた生徒の自己効力を構成する様々な概念の得点平均値が高い。2. ラーニング目標に影響を与える要因として, A群は内的要因である手段保有感の「能力」が,B群は外的要因である「教師」の存在が要因となっている。また,「努力」は両群に共通する要因である。3. 自己評価の「学習課題の把握」は, A群B群ともラーニング目標に影響を与える要因である。また,自己制御の「課題解決の情報処理」は, A群固有の要因である。4. 社会的関係性の「教える役割」は, A群B群ともラーニング目標に影響を与える要因である。また,外的要因である「周囲の期待」は, B群固有の要因である。5. 自己効力の高低にかかわらず,学習方略の「精緻化方略」はラーニング目標に影響を与える要因である。</p>

収録刊行物

  • 理科教育学研究

    理科教育学研究 43 (1), 1-10, 2002-09-10

    一般社団法人 日本理科教育学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (6)*注記

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