魚類を指標生物に加えた新しい水質判定方法の開発

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  • Judging Water Quality by Using Fish as Index Creature
  • ギョルイ オ シヒョウ セイブツ ニ クワエタ アタラシイ スイシツ ハンテイ ホウホウ ノ カイハツ

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抄録

<p>河川の汚染の段階をそこに生息する水生生物を用いて判断する方法は現在,国や地方の公共団体,学校現場で幅広く活用されている。これらで使用されている水生生物は主に底生生物である。一方,魚類や藻類,水草,細菌などでの研究も報告されている。本研究ではこの中の魚類に着目し,魚類と水質等の関係を調べ,魚類を加えた河川水質判定方法の開発を行った。基礎調査は2000年7月から9月にかけて愛知県全域の河川32地点で行った。水温,COD,PO4,NH4-N,pH,生物学的水質階級を測定するとともに,魚類を半月網,モンドリで捕獲した。32地点で捕獲できた魚類は27種であった。27種のうち,出現頻度が高かったタモロコ,カマツカ,モツゴ,アブラハヤ,タカハヤ,カワムツ,オイカワ,フナ類,コイ,ドジョウ,ヨシノボリ類で水質との関係を調べた。COD,PO4,NH4-N,及び従来の生物学的水質判定の結果と魚類の調査結果に相関が得られた。このことから魚類は河川の水質の指標生物になりうることが明らかとなった。この調査結果をもとに,アブラハヤ類,カワムツ,タモロコ,ヨシノボリ類,カマツカ,ドジョウ,モツゴ,オイカワ,コイ,フナ類を指標生物とし,それに従来の調査方法で使用されている指標生物から比較的大型なサワガニ,スジエビ,カワニナ,シジミ類,タニシ,モノアラガイ,サカマキガイ,アメリカザリガニを加えた新しい河川環境判定方法を開発した。</p>

収録刊行物

  • 理科教育学研究

    理科教育学研究 44 (3), 21-28, 2004-03-15

    一般社団法人 日本理科教育学会

参考文献 (17)*注記

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