感染性心内膜炎を合併した冠動脈瘻に対し，僧帽弁形成術および冠動脈瘻閉鎖術を施行した１例

• 大野 正裕

  昭和大学心臓血管外科

• 尾本 正

  昭和大学心臓血管外科

• 毛利 亮

  昭和大学心臓血管外科

• 福隅 正臣

  昭和大学心臓血管外科

• 大井 正也

  昭和大学心臓血管外科

• 岡山 尚久

  昭和大学心臓血管外科

• 石川 昇

  昭和大学心臓血管外科

• 手取屋 岳夫

  昭和大学心臓血管外科

書誌事項

タイトル別名

• Congenital Coronary Artery Fistula Associated with Infective Endocarditis of the Mitral Valve

抄録

54歳，女性．3カ月前からの発熱を主訴に来院．心エコーにて僧帽弁前尖（A3）から後尖（P3）に付着する疣贅と重度の僧帽弁逆流を認めた．また，冠動脈造影および造影 CT にて右冠動脈から冠状静脈洞への動静脈瘻を認めた．血液培養にて Strep. viridans を検出し，活動期感染性心内膜炎を合併した冠動脈瘻の診断にて準緊急手術施行した．疣贅は A3 から P3 に及び，感染巣を可及的に除去し，欠損部をグルタールアルデヒド処理自己心膜にて補填した．また人工腱索，人工弁輪を用いて形成術を施行した．右冠動脈の冠状静脈洞流入部は術中同定可能であり，心外膜側より結紮処理し，末梢へバイパス術を施行した．術後経過は順調であり軽快退院となった．今後，冠動脈瘻の再発および拡大，心筋梗塞等の遠隔期合併症に対し経過観察が必要である．

収録刊行物

• 日本心臓血管外科学会雑誌

  日本心臓血管外科学会雑誌 37 (5), 264-267, 2008

  特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会

キーワード

• 感染性心内膜炎
• 冠動脈瘻
• 僧帽弁形成術

詳細情報

• CRID: 1390001204703426304
• NII論文ID: 110006885107
• NII書誌ID: AN00193284
• DOI: 10.4326/jjcvs.37.264
• ISSN: 18834108
• ISSN: 02851474
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2008337376
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可