重度の心疾患や認知症によりTUR-P施行不可能とされた症例に対する光選択的前立腺蒸散術 (PVP) の安全性, 有効性の検討

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タイトル別名
  • PHOTOSELECTIVE VAPORIZATION OF THE PROSTATE IN SEVERE HEART DISEASE OR DEMENTIA PATIENTS WHO ARE NOT CANDIDATES FOR TUR-P
  • ジュウド ノ シン シッカン ヤ ニンチショウ ニ ヨリ TUR P シコウ フカノウ ト サレタ ショウレイ ニ タイスル ヒカリ センタクテキ ゼンリツセン ジョウサンジュツ PVP ノ アンゼンセイ ユウコウセイ ノ ケントウ

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抄録

(目的) 前立腺肥大症によるTUR-Pは出血やTUR症候群 (低Na血症) などのリスクの為心疾患を持つ症例ではしばしば施行不可とされる. また術後の安静や尿道カテーテル留置の必要性などから重度の中枢神経疾患や認知症を有する症例においても同様である. 今回これらTUR-Pを施行不可とされた症例に対して光選択的前立腺蒸散術 (Photoselective Vaporization of the Prostate: PVP) を行い, 重篤な合併症なく良好な治療結果を得られたので報告する.<br>(対象と方法) 2006年1月から2007年12月までに312例のPVPを施行した. このうち8例の重度心疾患症例 (American Society of Anesthesiology 分類3以上) と4例の高度認知症症例 (Performance Status 3 以上) を対象とした. 術前, 術後3ヵ月における最大尿量率, 残尿量の変化, 手術の安全性, 術後合併症などを評価した. 12例の平均年齢81歳, 前立腺重量は63.8mlであった. 12例中8例が尿道カテーテル留置中であった.<br>(結果) 重篤な合併症なく全例手術施行可能であった. 平均手術時間は101分, レーザー照射線量は336, 852J, 環流液量は21Lであった. 血中Na濃度の低下はなく輸血を要する症例もなかった. 尿道カテーテルは1例が術後3時間にて抜去, 他症例は翌朝抜去した. 全例手術翌日退院となった. 術後3ヵ月における最大排尿率は平均18ml/s, 残尿量は46.9mlと改善を認めた.<br>(結論) PVPはTUR-Pが施行不可能な重度の合併症を持つ症例にても安全に施行できその治療効果も良好である.

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