医学生のコミュニケーションスキルとQOLおよび抑うつ気分の関連

書誌事項

タイトル別名
  • Association of Communication Skills of Medical Students with their Quality of Life and Depressive Mood

この論文をさがす

抄録

研究参加への同意が得られた医学部学生68名で,コミュニケーションスキル(CS),抑うつ,生活の質(QOL)に関する自己記入式アンケート調査を行い,これらの関連を調査した.CSと抑うつは負の相関を,CSとQOLは正の相関を示した.CSの高低で群分けして比較すると,高CS群で抑うつ得点は有意に低く,社会関係領域のQOLが有意に高かった.次に抑うつの高低で群分けして比較すると,CS得点は抑うつ低群で有意に高く,QOLは身体的健康,精神的健康,社会関係の3領域で有意に高かった.年齢,性別を考慮してこれらの関連性を共分散構造分析により解析したところ年齢,抑うつ,CSがQOLに影響することが示された.さらにCSは直接QOLに影響する場合と抑うつを介して影響する場合が認められた.したがって,CSを改善するプログラムによりQOLを直接高めるのみならず,抑うつを予防することでQOLを高めることが可能と考えられる.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 48 (10), 859-866, 2008

    一般社団法人 日本心身医学会

参考文献 (24)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ