胸椎硬膜外髄膜嚢胞の1例

  • 冨井 雅人
    財団法人脳神経疾患研究所附属総合南東北病院脳神経外科
  • 伊藤 康信
    財団法人脳神経疾患研究所附属総合南東北病院脳神経外科
  • 沼澤 真一
    財団法人脳神経疾患研究所附属総合南東北病院脳神経外科
  • 渡邉 一夫
    財団法人脳神経疾患研究所附属総合南東北病院脳神経外科
  • 中川 洋
    グローバル・スパイン

書誌事項

タイトル別名
  • Thoracic Epidural Meningeal Cyst : A Case Report

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抄録

脊髄髄膜嚢胞はまれな疾患である.症例は32歳の男性で,3〜4年来の背部痛,両足のしびれ,歩行障害,尿閉および勃起障害にて発症した.放射線学的にT_<10>からL_1レベルに連続し硬膜嚢を後方から前方に高度に圧迫する硬膜外嚢胞を認め,手術にて病変を全摘出した.病理組織学的に数層のコラーゲン線維ないし線維組織で被われた嚢胞で,嚢胞内側は細胞成分が変性消失し,外側に一部クモ膜細胞が残存していた髄膜嚢胞で,長期間にわたって形成されたものと考えられた.術後歩行障害は軽快傾向にあり,経過良好である.本疾患は,嚢胞とクモ膜下腔間のfistulaのvalve-like mechanismによって増大したことが推定される.早期診断を行いfistulaを遮断した後に嚢胞の全摘出を行うことにより良好な結果が得られると思われる.

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参考文献 (26)*注記

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