肩関節挙上角度と肩甲下筋の筋活動の関係

  • 中山 裕子
    新潟中央病院 リハビリテーション部 新潟医療福祉大学大学院 理学療法学分野
  • 大西 秀明
    新潟医療福祉大学大学院 理学療法学分野
  • 中林 美代子
    新潟医療福祉大学大学院 理学療法学分野 新潟県はまぐみ小児療育センター 訓練部
  • 大山 峰生
    新潟医療福祉大学大学院 作業療法学分野
  • 石川 知志
    新潟医療福祉大学大学院 健康スポーツ学分野

書誌事項

タイトル別名
  • The Relationship between the Angle of Shoulder Elevation and EMG Activities of Subscapularis Muscle

この論文をさがす

抄録

本研究の目的は,肩甲下筋の機能的な違いを明らかにすることである。対象は健常成人6名とし,運動課題は5秒間の肩関節最大等尺性内旋運動で,筋力測定器(BIODEX)を使用した。計測肢位は肩甲上腕関節回旋中間位,内旋45度位,外旋45度位で,上肢下垂位,屈曲60度・120度,肩甲骨面挙上60度・120度,外転60度・120度の計21肢位であり,肩甲下筋上部・中部・下部の筋活動をワイヤー電極にて導出した。筋電図積分値は内外旋中間位上肢下垂位の値を基に正規化した(%IEMG)。最大トルク値と%IEMG値は挙上角度による比較を行った。肩内外旋中間位・肩甲骨面挙上および外転位での内旋運動において,最大トルク値は,120度の値が下垂位および60度の値より有意に低く,運動肢位により内旋トルクの変化が見られた。また,%IEMGについては,内外旋中間位・外転において,肩甲下筋上部は,下垂位が60度および120度に比べ高い傾向が見られた。また,内外旋中間位・肩甲骨面挙上において,肩甲下筋中部は,60度の値が,下垂位および120度の値に比べ高い傾向が見られた。下部においては,120度の値は下垂位,60度に比べ高い傾向が見られた。以上より,肩甲下筋は肩内外旋中間位における挙上角度の変更により上腕骨長軸に対し垂直に近い線維が最も強く肩関節内旋運動に作用することが示唆された。

収録刊行物

  • 理学療法学

    理学療法学 35 (6), 292-298, 2008-10-20

    日本理学療法士学会

参考文献 (17)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ