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Abstract
林業基本法下の森林・林業政策は,森林所有者の適度の木材生産が森林の国土保全機能=荒廃防止機能を果たすという予定調和論をベースに,森林所有者を林業生産の担い手として措定するという誤りを犯した。その後,地域林業政策から流域管理システムへの流れの中で,川下(素材生産-素材流通-製材加工-製品流通)のシステム化から森林資源管理を位置づける政策的転換を示唆したものの,両政策を補強する林野三法では,森林所有者=担い手への回帰を窺わせるなど政策的混迷を露呈した。かくして2001年に森林・林業基本法が制定された。同法では森林所有者などと並立させる形で,素材生産業者にも条件次第では森林資源管理の担い手としての資格を賦与できることが謳われており,この点で政策的な前進があったと評価できる。というのも素材生産業者は曲がりなりにも資本家であり,市場競争と森林資源管理の両方を担える可能性をもっているからである。しかし,同法の枠内では素材生産業者が地域の森林資源を合理的に利用できる保証はどこにもない。この弱点を克服するためには,素材生産を森林所有に優越させる仕組みを政策的に創出することが急務である。
Journal
- 林業経済研究 [List of Volumes]
-
林業経済研究 49(1), 35-46, 2003-03-01 [Table of Contents]
The Japanese Forest Economic Society
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