Citrobacter koseriによる感染性胸腹部大動脈瘤の1治験例

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タイトル別名
  • A Case of Infected Thoracoabdominal Aortic Aneurysm Caused by Citrobacter koseri

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抄録

症例は58歳,女性.無治療の糖尿病がある.2006年5月,2週間続いている便秘と徐々に増悪する腹痛を主訴に近医を受診した.大動脈瘤の診断で当院へ転院となった.血液検査所見で炎症反応高値を呈しており,CTで横隔膜直下から上腸間膜起始部レベルにかけて大動脈周囲の血腫と血腫内への造影剤の流入を認めた.当初抗生物質による感染のコントロールを試みたが,瘤の増大を認めたため手術を施行した.手術は,部分体外循環・腹部分枝選択灌流下に横隔膜レベルより腎動脈下レベルまでの血腫・大動脈壁を完全に摘出し,人工血管での解剖学的再建と大網充填を行った.血腫は悪臭を伴っており,培養で Citrobacter koseri が検出された.合併症なく経過良好で,4週間の抗生物質投与の後に退院した.退院後22カ月を経た現在まで感染の再然は認めていない.

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