器質的成因からみた腸重積症について

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  • Management for Childhood Intussusception Caused by Pathological Lesion at the Leading Point
  • キシツテキ セイイン カラ ミタ チョウジュウセキショウ ニ ツイテ

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抄録

【目的】小児腸重積症において器質的成因の合併を検索すべき対象と検査法について検討したので報告する.【方法】1987年から2005年までに当院で経験した腸重積症100例のうち,器質的成因が確認された4例の臨床経過を分析した.また年齢ごとにその前後で累積発症率を比較し,器質的成因の合併率が急増する年齢を検索した.【結果】4例の内訳は小腸ポリープ,悪性リンパ腫,アレルギー性紫斑病,メッケル憩室が各1例ずつであり,全体の器質的成因の合併率は4%(4/100例)であった.累積発症率は0〜5歳では2.1%(2/94例)であったのに対し,5〜15歳では33.3%(2/6例)と10倍以上であった.文献より得られた23施設の腸重積症8,559例のうち器質的成因が確認されたのは324例(3.8%)で,当院と同様の結果であった.器質的成因の詳細が記載された7施設の症例(2,591例)に自験例をあわせた器質的成因の累積発症率は,0〜5歳では2,577例中83例(32%)であったのに対し,5〜15歳では114例中41例(36%)と,やはり5歳を境に10倍以上に急増した.また年長児では器質的成因のうち悪性リンパ腫の占める割合が高く,7〜8歳では半数を占めていた.【結論】器質的成因の合併率が高い5歳以上の年長児では,非観血的整復が成功しても悪性リンパ腫が原因のことも多く,早期発見のためのガリウムシンチは診断的意義がある.

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参考文献 (28)*注記

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