小児生体肝移植後のcytomegalovirus, Epstein-Barr virus, human herpesvirus 6の実態に関する検討

書誌事項

タイトル別名
  • Monitoring of Cytomegalovirus, Epstein-Barr Virus, and Human Herpesvirus 6 in Pediatric Liver Transplant Recipients
  • ショウニ セイタイ カン イショクゴ ノ cytomegalovirus Epstein Barr virus human herpesvirus 6 ノ ジッタイ ニ カンスル ケントウ

この論文をさがす

抄録

【目的】臓器移植後感染症の起因ウイルスとしてヒトヘルペスウイルスは代表的である.その中で特に小児肝移植において致死的な合併症の原因ともなりうるcytomegalovirus (CMV),Epstein-Barr virus (EBV)およびhuman herpesvirus 6 (HHV-6)の検出状況と感染発症例の実態に関し,検討を行った.【方法】2004年6月から2007年12月までに施行された17例の小児生体肝移植自験例を対象とした.CMVはantigenemia法,EBVはreal-time PCR法,HHV-6は単核球の細胞変性効果により診断した.【結果】CMVは17例中の8例(47.1%)に検出した.検出時期は術後1か月前後が多く術後90日以降で新たには検出されなかった.EBVは同様8例(47.1%)に検出されたが,CMVと異なり90日以上を経過しても検出された.術後陽性となった8例中の7例が術前未感染であった.HHV-6は5例で検出され,うち4例がグラフトを介して初感染したと考えられた.移植後における発症時の症状としては発熱を全例に認め,血小板低下,肝機能異常を3例(75%)に認めたが,解熱後の発疹は1例も認めなかった.【結論】小児肝移植後においてヒトヘルペスウイルスはCMV;47.1%,EBV;47.1%,HHV-6;29.4%と高率に検出され,多くは無症状であるが,症例により非定型的な症状を示し,時に重篤な合併症を引き起こす可能性があり,定期的なmonitoringによる早期発見が重要である.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (13)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ