福岡県津屋崎干潟におけるカブトガニ幼生の成長とモニタリング手法の開発

  • 和田 年史
    福岡エココミュニケーション専門学校:長崎大学大学院生産科学研究科:(現)鳥取県立博物館附属『山海岸学習館』
  • 米山 太平
    福岡エココミュニケーション専門学校
  • 橋口 大佑
    福岡エココミュニケーション専門学校
  • 野村 俊介
    福岡エココミュニケーション専門学校
  • 板谷 晋嗣
    福岡エココミュニケーション専門学校:つやざき海辺の自然学校
  • 秀野 真理
    福岡エココミュニケーション専門学校:つやざき海辺の自然学校

書誌事項

タイトル別名
  • Development of a monitoring method for the growth of the juvenile horseshoe crab Tachypleus tridentatus at the Tsuyazaki mudflat in Fukuoka, Japan
  • フクオカケン ツヤザキ ヒガタ ニ オケル カブトガニ ヨウセイ ノ セイチョウ ト モニタリング シュホウ ノ カイハツ

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抄録

福岡県津屋崎干潟においてカブトガニ幼生の成長の解明とモニタリング手法の開発に取り組んだ。2003年9月から2006年10月にかけての野外調査で得られたカブトガニ幼生の体幅組成では17.00〜62.00mmの間に4つの正規分布が認められ、それぞれの単峰領域が5から8脱皮齢の体幅サイズの範囲を示した。各脱皮齢の平均値から求められたカブトガニ幼生の成長率は5脱皮齢から順に1.35・1.33・1.31倍であった。津屋崎干潟での野外調査で得られた幼生の成長率は過去の飼育環境下で得られた成長率よりも高かった。本研究で示された各脱皮齢の体幅サイズの範囲を基準として幼生の齢組成を判別することによって、絶滅が危惧されている本種の個体数の増減を監視することができると考えられる。生活史を通して多様な沿岸環境を必要とするカブトガニは沿岸生態系保全の象徴となり得る存在であり、地域の自然環境や生物多様性を保全する意味でも市民参加型のモニタリング調査を実施し続ける必要がある。

収録刊行物

  • 保全生態学研究

    保全生態学研究 13 (2), 199-205, 2008

    一般社団法人 日本生態学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (38)*注記

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