Vasarupa-vidhiとその逸脱

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  • Vasarupa-vidhi and its deviations

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抄録

本論文では,Vasarupa-vidhi(3.1.94)とそれに係わる解釈規則(pari.67-69)を定式化し,それらから逸脱するケースを主にKasika-vrttiに基づき全て列挙することを試みる.Vasarupa-vidhiとは接尾辞間での共存を許す規則であり,これによりapavada(例外規則)もutsarga(一般規則)を常には妨げず,両者は共存できる.例えば,apavadaたるyat(3.1.97)はutsargaたるtavyat等(3.1.96)を常には妨げず,"ceya"(3.1.97)に加えて"cetavya"(3.1.96)等も一方で可とされる.しかし,Panini文法では他所でもそうであるように,このVasarupa-vidhiには例外,さらにそれから逸脱するケースが多々あり,正確な範囲を確定するためには,結局は一つ一つを吟味する他はない.これらの規則の正確な意味とそれが影響する範囲を,少なくとも理論上で,明確にすることは,krt接尾辞に関わるどのような応用に対しても,基礎として不可欠である.或いは,これら原則の範囲を確定してのち,はじめて個々の規則を安全に適用することが可能となる.また,本論文での試みは誰がやっても概ね同じ結果が得られるはずである.これらの意味で本研究は公表する意義があると考える.

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