韓国泰安半島における油流出事故による環境汚染 : 2008年1月の砂海岸と岩海岸における浄化方法

書誌事項

タイトル別名
  • Huge oil spill accident and the environmental damages at Taean Peninsula, South Korea : Cleanup methods at sandy beach and rocky beach in January 2008
  • カンコク タイアン ハントウ ニ オケル アブラ リュウシュツ ジコ ニ ヨル カンキョウ オセン 2008ネン 1ガツ ノ スナ カイガン ト イワ カイガン ニ オケル ジョウカ ホウホウ

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抄録

2007年12月7日7時ごろに韓国泰安半島沖10kmで香港籍タンカーの衝突事故が発生した.3つのタンクから重油と原油が12,547kl流出し海岸一帯が汚染された.万里浦海岸(Mallipo Beach)には厚さ30cmの重油が漂着し汚染が最も深刻であった.韓国中からボランティアが集まり,干潮時に毎日6時間の浄化作業を行った.ボランテイアは政府機関のみならず会社,研究所,地域のクラブ,女性組織なども参加した.また,12月30,31日,1月3日には,カナダ,ドイツ,アメリカ,韓国から約50名の科学者や専門家が浄化計画会議をもった.被害はおよそ300億円といわれている.本研究では事故発生から1ヶ月後の2008年1月5-6日に韓国泰安半島の万里浦海岸と蟻項海岸(Euhang Beach)の汚染調査を行った.現地でのボランテイア活動の様子,大気中の芳香族炭化水素の測定,海水の水質測定,重油の化学成分,微生物による油分解実験結果について報告し,1997年1月に日本で起きたナホトカ号重油流出事故の場合と比較検討した.ナホトカ号のC重油流出量の1.7-2.0倍という韓国史上最大の事故にもかかわらず,1ヶ月弱できれいになった砂海岸の浄化作業は驚異的である.早急な浄化作業の要因を考察し,今後の課題と提言を行った.

収録刊行物

  • 地球科学

    地球科学 63 (1), 29-40, 2009

    地学団体研究会

参考文献 (34)*注記

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