気胸を合併した両側肺動静脈瘻の1例

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  • A case of bilateral pulmonary arteriovenous fistula with pneumothorax

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抄録

気胸を合併した両側肺動静脈瘻の1例を経験したので報告する.症例は38才,女性.2007年12月胸痛を自覚したため近医を受診,右自然気胸との診断にて当院紹介初診となった.CTでは右肺の虚脱および数個のブラと両側肺尖部の蜂巣状陰影を認めた.保存的加療にて気胸の改善を認めなかったため手術を施行した.右肺尖部のブラの近傍には多数の拡張した網目状の血管と鎖骨下動静脈と連続した太い血管を認め,開胸下にてブラおよび血管部の肺部分切除術を施行した.病理組織所見では多発するブラと,ブラの表面の拡張した動静脈を認め肺動静脈瘻との診断であった.術後検査では左肺尖部の陰影も肺動静脈を流入,流出血管とする肺動静脈瘻と考えられた.肺動静脈瘻は比較的稀な疾患ではあるが常に念頭においておくべきであり,また治療に関しては流入,流出血管や瘻の存在する部位,形状などだけでなく合併疾患の有無も考慮したうえで行うことが重要であると考えられた.

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参考文献 (14)*注記

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