異なる土壌水分条件における熱帯産3樹種の実生稚樹の成長と物質分配

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タイトル別名
  • Growth and dry matter allocation of three tropical tree species seedlings under different soil moisture conditions

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抄録

南米アマゾンに自生する3種(Cedrela odorata, Swietenia macrophylla, Schizolobium parahybum)の造林適地を明らかにするために,これらの実生苗を用いて異なる土壌水分条件に対する成長および乾物分配様式の反応を調べた。土壌水分条件は過湿(-0.004MPa), 乾燥(-0.80MPa〜-1.26MPa),適潤(-0.02MPa〜-0.06MPa)の3処理を設定した。3種ともに中庸な土壌水分処理で最大の苗高,地際直径,葉面積および乾燥重量を示した。S. macrophyllaおよびS. parahybumの相対成長速度(RGR)は,乾燥および過湿処理で適潤処理に比べて低下し,低下の割合は乾燥処理で大きかった。純同化速度(NAR)の低下の程度は乾燥及び過湿処理で同程度であった。葉面積率(LAR)はS. parahybumでは過湿処理で増加し,S. macrophyllaでは乾燥処理で減少しており,乾燥処理におて葉への分配が過湿処理に比較して減少したことが,より大きなRGRの低下につながったと考えられる。C. odorataでも,適潤処理に比べて乾燥処理および過湿処理ではRGRが低下したが,その割合は過湿処理で大きかった。NARは過湿処理で若干増加し,乾燥処理では若干低下していた。LARは乾燥処理および過湿処理の両方で低下したが,特に過湿処理での低下が大きかった。過湿処理で成長が低下したのは,光合成産物の葉への分配が減少したためと考えられた。

収録刊行物

  • 森林立地

    森林立地 42 (1), 17-21, 2000

    森林立地学会

参考文献 (16)*注記

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