松枯れ後に成立した二次林を構成する低木・亜高木種の萌芽特性

書誌事項

タイトル別名
  • Sprouting traits of shrub and arborescence species in a post-pine wilt disaster secondary forest
  • マツ カレ ゴ ニ セイリツ シタ 2ジリン オ コウセイ スル テイボク アコウボクシュ ノ ホウガ トクセイ

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抄録

松枯れ後に成立した広葉樹二次林に生育する落葉亜高木種6種,落葉低木種3種,常緑低木種2種を伐採し,1年目に発生する萌芽枝の特性として,1)萌芽枝発生の有無,2)発生時期,3)萌芽枝発生量と親株直径の関係,4)生活形や樹種間での萌芽枝特性の違いを調べた。全樹種,伐採木は萌芽枝を発生し,非伐採木からは発生しなかった。発生時期は,9割以上の株で6月中旬以前であった。発生した萌芽枝の総乾燥重量と親株の地際直径の間には多くの樹種で有意な正の相関が認められた。しかし,ウリハダカエデに有意な相関は認められなかった。これは,パイオニア的性質を持つことで,地下部の蓄積資源量が相対的に少ないためと考えられた。萌芽枝の総乾燥重量に対する萌芽枝特性(本数,伸長量,直径および枝葉比)の関係から,萌芽枝特性は生活形および樹種で多様なことが分かった。以上の結果から,広葉樹二次林に生育する低木・亜高木種は伐採後に多く萌芽し,多くの樹種は萌芽枝の総乾燥重量と親株の地際直径に有意な正の相関が認められたことから,伐採前に発生する萌芽枝の量を予測でき,整備の際にそれらの情報を利用できることが示唆された。

収録刊行物

  • 森林立地

    森林立地 47 (1), 39-46, 2005

    森林立地学会

参考文献 (20)*注記

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