ヒノキ人工林の下層植生管理のための温度域区分 : 土壌保全を目的として

書誌事項

タイトル別名
  • Altitudinal zoning of understory vegetation in planted Hinoki cypress (Chamaecyparis obtusa Endl.) forest from the view of surface soil erosion control
  • ヒノキ ジンコウリン ノ カソウショクセイ カンリ ノ タメ ノ オンドイキ クブン ドジョウ ホゼン オ モクテキ ト シテ

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抄録

ヒノキ人工林の土壌保全を目的とする下層植生管理に資するために,温量指数傾度上で下層植生の温度域区分を行い,植生管理への応用を検討した。高知県全域にわたる多数のヒノキ人工林で下層植生の種ごとの植被率(%)を6段階評価し,これを指数化した(被度指数)。針葉樹,常緑木本,落葉木本,草本・地表植物,ウラジロ・コシダ,ササの6生活型を設け,各々に属する種の被度指数の和(被度指数小計)を算出した。温量指数の傾度上で,常緑木本とウラジロ・コシダの被度指数小計の散布状態に変化の見られた点(それぞれ,寒さの指数-10と暖かさの指数105〜110)を境界とし,常緑木本類の繁茂できない落葉樹域,常緑木本類は繁茂できるが,ウラジロ・コシダの繁茂できないカシ域,常緑木本類とウラジロ・コシダが共に繁茂できるウラジロ・コシダ域の3域を区分した。ウラジロ・コシダ域では,土壌侵食抑制効果の高い植生夕イプである草本・地表植物型の出現頻度が他の2域に比べて低かった。土壌侵食抑制効果の低い貧植生型の相対頻度は,ウラジロ・コシダ域<カシ域<落葉樹域の順に上昇した。これらの事実に基づいて,ヒノキ人工林における土壌保全を目的とした下層植生管理には温度域ごとに異なる方法が必要であることを指摘した。収量比数と植生タイプとの関係が温度域間で異なることを明らかにし,林分密度管理による下層植生管理を行う場合は,温度域ごとに別個の管理モデルが必要であることを指摘した。

収録刊行物

  • 森林立地

    森林立地 47 (2), 77-84, 2005

    森林立地学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (22)*注記

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