ヒノキ強度間伐林分の残存木樹幹表面における樹脂流出と間伐強度および立地要因との関係

書誌事項

タイトル別名
  • Relationship between resin flow on the surface of tree trunks and thinning rate and site conditoins in planted Chamaecyparis obtusa Endl. forests with heavy thinning
  • ヒノキ キョウド カンバツリンブン ノ ザンソンボク ジュカン ヒョウメン ニ オケル ジュシ リュウシュツ ト カンバツ キョウド オヨビ リッチ ヨウイン トノ カンケイ

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抄録

ヒノキ強度間伐林分の残存木の幹に多発する外傷や病虫害の外部標徴を伴わない樹脂流出と強度間伐作業との関わりを明らかにするために,高知県下11箇所のヒノキ人工林に35の調査プロットを設け,樹脂流出と間伐率および立地要因との関係を調べた。2箇所の試験地から採取した合計5本の標本木について樹脂流出箇所の樹皮横断面を観察したところ,樹脂流出箇所の師部に形成された傷害樹脂道は1列または2列で漏脂病患部の特徴を示さず,昆虫の食痕を伴うものもなかった。試験地で見られた樹脂流出は罹病や外傷によるものではないと判断した。無間伐区では樹脂流出がほとんど見られず,樹脂流出木の本数率は間伐率の増加と共に上昇した。個体当たりの樹脂流出力所は間伐率が高いほど多かった。樹脂流出木本数率は北向き斜面と高海抜地で低く,流出箇所は幹の南面より北面で少なかった。以上から,強度間伐に伴う環境の急変がヒノキ残存木に樹脂流出を引き起こす水準のストレスを与えたこと,ストレスが強まると樹脂流出が増加すること,及び樹脂流出の程度が立地条件によって異なることという結論を得た。

収録刊行物

  • 森林立地

    森林立地 50 (2), 117-123, 2008

    森林立地学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (16)*注記

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