西南日本,島根半島佐波地域の中新世海底火山(<特集>水底における火山活動とその噴出物)

書誌事項

タイトル別名
  • A Miocene submarine volcano from Sanami district Shimane Peninsula, Southwest Japan
  • 西南日本,島根半島佐波地域の中新世海底火山〔英文〕
  • セイナン ニホン シマネ ハントウ サナミチイキ ノ チュウシンセイ カイテイ

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抄録

島根半島には主として頁岩と火山性堆積物からなる下部(古浦層) と中部(成相寺,牛切層) 中新統が分布している.中期中新世の火成活動は活動のタイプにより3つのステージに分けられており,佐波火山岩類は牛切層の中部,ステージll (孤立した海底火山群の形成) とステージ皿(シートフローの噴出) の噴出岩の境界に位置する.  佐波火山岩類は, 下位から順に,玄武岩枕状溶岩,安山岩シートフロー,玄武岩火砕岩類,玄武岩シートフ ロー,デイサイト火砕岩などからなる.火山岩層は北西方向の断層に切られており, それに沿って玄武岩岩脈が貫入している.断層と岩脈は佐波湾沿いの狭いゾーンに特に多く,そこには枕状溶岩のフィーダー,火山弾を含む高速の火砕流,クレーター,ネックブレッチャーなどの火口近傍の諸現象がみられる.佐波地域における爆発活動はシートフローの噴出と交互に起きており, 海棲の貝化石の証拠から浅海の環境で起きたことがわかる.

収録刊行物

  • 地球科学

    地球科学 44 (6), 309-325, 1990

    地学団体研究会

被引用文献 (3)*注記

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