抄録
本研究では,自然治癒が認められた1症例に対し,吃音の発生率と症状を縦断的に分析し,先行研究で実施された因子に質的検討を加えて,自然治癒に至った要因を考察した.対象は発吃年齢2歳7ヶ月の女児1名であり,発話の分析対象には養育者との自由会話50文節を用いて,月単位での総非流暢性とStuttering-Like Disfluency(以下,SLD)発生率を分析した.また,吃音症状分類のA群とC群の症状数についても分析を行った.本症例の自然治癒の過程から,吃音症状の分析については,Yairiの報告したSLDの変化のみならず,A群・C群の症状の質的変化にも注意することの必要性が示唆された.