地域材が消費者ニーズほど使用されないのは何故か : 秋田県の住宅に関するアンケート調査の分析から

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  • Why Isn't Local Wood Used as Much as It Should be for Consumers' Needs? : Analysis of a Questionnaire Survey on Housing in Akita Prefecture
  • チイキザイ ガ ショウヒシャ ニーズ ホド シヨウ サレナイ ノ ワ ナゼ カ アキタケン ノ ジュウタク ニ カンスル アンケート チョウサ ノ ブンセキ カラ

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抄録

国産材利用拡大の動きとともに,地域材を使用した住宅の建設も近年活発化している。とはいえ,木材自給率は2割であり,国産材・地域材の振興には多くの課題がある。本論文は,地域材振興へ向けた課題を消費者の観点から明らかにしようと試みた。消費者の地域材への関心が高い秋田県を対象に,地域材に対する消費者ニーズと使用実態の差およびその要因について,木造住宅を新築した268世帯へのアンケート調査結果をもとに,χ二乗検定と分散分析を用いて検証した。その結果,世帯属性と地域材ニーズの関係が明らかになるとともに,ニーズの高さが地域材認識度と関係あることが示された。さらに,秋田スギの使用実態は消費者ニーズを大きく下回ることが示され,その要因として,(1)建材を決める主導権が施主でなく施工者にある,(2)施主の地域材希望の実現性が大規模施工者で著しく低い,(3)設計事務所や大規模施工者で地域材を使用すると建築価格が大幅に高くなることが明らかになった。高い消費者ニーズが地域材の使用実態に反映されない秋田県の調査結果から,地域材振興へ向けた課題として,地域材認識度の向上,広範な施工者情報の開示,建築価格の透明化を指摘できる。

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