カラコギカエデシロハモグリ(新称)(ハモグリガ科)の日本からの記録

  • 安 能浩
    Entomological Laboratory, Graduate School of Agriculture and Biological Sciences, Osaka Prefecture University
  • 広渡 俊哉
    Entomological Laboratory, Graduate School of Agriculture and Biological Sciences, Osaka Prefecture University

書誌事項

タイトル別名
  • A new record of Leucoptera ermolaevi Seksjaeva (Lepidoptera, Lyonetiidae) from Japan
  • new record of Leucoptera ermolaevi Seksjaeva Lepidoptera Lyonetiidae from Japan

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抄録

カラコギカエデシロハモグリLeucoptera ermolaeviはSeksjaeva(1990)によってロシア沿海州から記載されたが,長野県のいくつかの地点でも採集されたので報告する.成虫は開張約5mm.同じカエデ科を寄主とするヨーロッパ産のL.aceris(Fuchs,1903)にもっとも近縁であると思われるが,L.acerisは本種より前翅の1番目と2番目のcostal streakの間隔が広く,下方に行くほど狭くなり間の黄色斑が三角形になるが,本種では四角となる.また,前翅肛角にある鉛色を帯びた金属紋はL.acerisでは四角となるが,本種では三角形あるいは楕円形となる.本種の♂交尾器では,バルバが三角形となるが,L.acerisでは全体に四角形で背面先端が鉤状に伸長していること,また,L.acerisのpedunculusは細く湾曲することなどで識別できる.幼虫は,カラコギカエデの葉に不規則な斑状潜孔を作り,潜孔の中央に糞を残す.本種の幼虫は長野県の松本市,菅平,開田高原などで5月上中旬,7月中旬-8月上旬に採集されており,年に2回以上発生すると思われる.

収録刊行物

  • 蝶と蛾

    蝶と蛾 56 (2), 117-121, 2005

    日本鱗翅学会

参考文献 (5)*注記

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