小児回盲部放線菌症の1例 : 本邦小児報告例の検討

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Pediatric Ileocaecal Actinomycosis : Analysis of 12 Cases of Ileocaecal Actinomycosis in Japan
  • 症例報告 小児回盲部放線菌症の1例--本邦小児報告例の検討
  • ショウレイ ホウコク ショウニ カイモウブ ホウセンキンショウ ノ 1レイ ホンポウ ショウニ ホウコクレイ ノ ケントウ

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抄録

小児回盲部放線菌症は非常にまれな疾患で,われわれが1960年から2007年12月までを医学中央雑誌等で検索し得た限りでは,本症例を含め12例であった.今回われわれは小児回盲部放線菌症の1例を経験したので報告する.症例は14歳男児.主訴は発熱と右下腹部痛.近医を受診し,急性虫垂炎の診断で当科紹介,CT画像で回盲部に腫瘤を認め,血液検査で白血球とCRPの軽度上昇を認めた.緊急開腹手術では,盲腸を中心に腫瘤性病変を認めた.術中迅速病理診断を行ったが,悪性所見は認めなかった.しかし回盲部に著しい壁肥厚と周囲との強い癒着を認め,術後の通過障害が懸念されたため回盲部切除術を施行した.病理検査の結果,病巣内に放線菌塊が散見された.術後経過は良好で合併症および再発は認めていない.術前診断の困難な疾患であるが,術中迅速病理診断を行う等,悪性腫瘍との鑑別に放線菌症も念頭に置き治療を行う必要があると考えられた.

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参考文献 (18)*注記

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