多発消化管転移を来した悪性胸膜中皮腫の1例

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タイトル別名
  • A Case of Multiple Gastrointestinal Metastases of Malignant Pleural Mesothelioma

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抄録

悪性胸膜中皮腫の進展再発形式は原発巣からの直接浸潤が主であり,遠隔転移はまれである.今回,我々は多発消化管転移を来した悪性胸膜中皮腫を経験したので報告する.症例は53歳の男性で,2005年に悪性骨肉腫の診断で左胸壁切除術をうけていた.術後1年6か月目の2007年に貧血が出現し,上部消化管内視鏡検査で胃に多発する粘膜下腫瘍あり,生検にて転移性悪性腫瘍と診断された.止血目的に開腹手術を行ったところ,小腸にも多発腫瘍を認め,小腸バイパス術および小腸腫瘍生検を行った.免疫組織染色検査にて,calretinin陽性,WT1陽性の小腸腫瘍であった.初回胸壁腫瘍および胃腫瘍生検組織も追加免疫組織染色検査で,同様に中皮腫細胞マーカーに陽性を示した.以上より,悪性胸膜中皮腫の多発消化管転移と判断した.術後化学療法を開始し,術後7か月より他臓器転移を認めているが,12か月経過した現在ペメトレキセドによる化学療法を継続中である.

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