超音波歯ブラシの慢性歯周炎患者に対する臨床的効果

  • 大塚 秀春
    明海大学歯学部口腔生物再生医工学講座歯周病学分野
  • 市村 光
    明海大学歯学部口腔生物再生医工学講座歯周病学分野
  • 石井 麻紀子
    明海大学歯学部口腔生物再生医工学講座歯周病学分野
  • 松田 敦至
    明海大学歯学部口腔生物再生医工学講座歯周病学分野
  • 三上 晃一郎
    明海大学歯学部口腔生物再生医工学講座歯周病学分野
  • 谷田部 一大
    明海大学歯学部口腔生物再生医工学講座歯周病学分野
  • 大橋 敏雄
    明海大学歯学部口腔生物再生医工学講座歯周病学分野
  • 林 丈一朗
    明海大学歯学部口腔生物再生医工学講座歯周病学分野
  • 辰巳 順一
    明海大学歯学部口腔生物再生医工学講座歯周病学分野
  • 申 基詰
    明海大学歯学部口腔生物再生医工学講座歯周病学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical Effects of Ultrasonic Toothbrush for Patients with Chronic Periodontitis

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抄録

音波エネルギーを応用した歯ブラシは,現在では広く一般に用いられるようになっている.超音波歯ブラシの臨床的な効果についての報告はこれまでにもあるが,歯周ポケット内の歯周病原細菌に対する影響を調べた研究はほとんどない.超音波歯ブラシDENT.EX systema ultrasonic®は,1.6MHzの超音波発振と高度テーパード毛を特徴としている.バス法で用いることにより,歯周ポケット内のプラークを除去できるようにデザインされている.本研究の目的は,超音波歯ブラシの歯肉縁下の細菌に対する影響を検討することである.被験者は,明海大学歯学部付属明海大学病院に来院した慢性歯周炎患者14名(男性5名,女性9名,35〜69歳,平均年齢48.6±12.4歳)とした.Probing Pocket Depth(PPD)が4mm以上の部位が1ヵ所以上ある小臼歯および大臼歯の56歯を被験歯として,実験側に超音波歯ブラシを,対照側に手用歯ブラシを用いた.ブラッシングは,バス法により1日2〜3回行うよう指示した.診査項目は,(1)Plaque Index(P1I),(2)Bleeding on Probing(BOP),(3)Gingival Index(GI),(4)PPDおよび(5)Gingival Crevicular Fluid量(GCF)および細菌検査としてPCR法による(1)総細菌コピー数および(2)歯周病原細菌(Actinobacillus actinomycetemcomitans,Porphyromonas gingivalis,Prevotella intermedia,Tannerella forsythia)コピー数を診査した.BOP,GIおよびPPDは,両群ともに経時的な改善が認められたが,両群間に有意差はなかった.P1Iの近遠心面に限った比較によると,実験群の4wが有意に改善を示した(p<0.05).実験群の歯周病原細菌コピー数は,経時的な減少傾向がより顕著に観察された.GCFは,4wの実験群において有意に減少した(p<0.05).1.6MHzの超音波歯ブラシが,慢性歯周炎患者の歯周ポケット内の細菌に影響を与えることが示唆された.

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被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (39)*注記

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