腎癌術後多発性骨転移に対しIL‐2療法を施行中,潰瘍性大腸炎様所見を伴う消化器症状を呈した1例

書誌事項

タイトル別名
  • A CASE OF DRUG-INDUCED COLITIS LIKE ULCERATIVE COLITIS DURING IL-2 THERAPY FOR MULTIPLE BONE METASTASIS AFTER OPERATION OF KIDNEY CANCER
  • 症例報告 腎癌術後多発性骨転移に対しIL-2療法を施行中,潰瘍性大腸炎様所見を伴う消化器症状を呈した1例
  • ショウレイ ホウコク ジンガン ジュツゴ タハツセイ コツ テンイ ニ タイシ IL 2 リョウホウ オ シコウチュウ カイヨウセイ ダイチョウエンヨウ ショケン オ トモナウ ショウカキ ショウジョウ オ テイシタ 1レイ

この論文をさがす

抄録

60歳, 男性.左腎腫瘍(cT1bN0M0)に対し, 後腹膜鏡補助下根治的腎摘除術を施行した.腎癌, grade3, pT1bであった.その後, 骨転移が出現し, IFN-γ投与, 放射線治療を施行したが, PDのため, IL-2 70万単位/day週5回投与を開始した.投与28日目より下腹部痛・水様性下痢が出現した.検査所見上, 著明に好酸球が増多していた.IL-2の関与を疑い, 投与を中止したが改善見られないため, 消化器内科を受診し, 大腸内視鏡検査にて潰瘍性大腸炎様所見を呈する薬剤性腸炎と診断された.その後, IL-2投与中止を継続したところ, 症状は改善傾向となった.IL-2が潰瘍性大腸炎の発症に関与するという報告は多く認められ, その投与により同様の所見を伴う薬剤性腸炎が発症したと考えられた.過去にこのような副作用報告はなく, IL-2と潰瘍性大腸炎との関連が示唆するものと考えられた.<br>

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (14)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ