衝撃波発射速度の低速化によるESWL治療成績の改善について

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タイトル別名
  • SLOW DELIVERY RATE IMPROVES THE OUTCOME OF EXTRACORPOREAL SHOCK WAVE LITHOTRIPSY
  • ショウゲキハ ハッシャ ソクド ノ テイソクカ ニ ヨル ESWL チリョウ セイセキ ノ カイゼン ニ ツイテ

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抄録

(目的)ESWLの治療成績が, 衝撃波発射速度を下げることで改善するかどうか検討する.<br> (対象と方法)Siemens Lithostar Multilineを用い, 2003年10月~2006年 8 月は120/min(Fast(F)群:腎229・尿管614, 計843結石)で, 2006年 9 月~2008年 8 月は90/min(Slow(S)群:腎139・尿管309, 計448結石)にて尿路結石の治療を行った.<br> (結果)治療3カ月後の完全排石率は, 腎結石でF群60%, S群53%(P=0.858), 尿管結石でF群82%, S群91%(P<0.001)であった.手術移行率はF群13%, S群5%(P<0.001)と改善した.S群では腎・尿管ともに治療回数・衝撃波数は有意に少なくすみ, 治療時間も短縮された.有害事象の発生頻度は変わらなかった.S群では高齢・下腎杯結石・診断時無痛の例が多かったため, 多重ロジスティック解析を行った.この結果完全排石の予後良好となる因子は, 治療速度90/min(S群)であることが判明した.その他, 若年・有痛・部位がdistal・長径が小さいことも予後良好因子であった.<br> (結論)ESWL治療で発射速度を下げることにより, 完全排石率が向上した.治療回数・衝撃波数・手術移行が減少し, 治療時間も短縮できた.<br>

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