原発性肝癌術後7年目に診断した孤発性横隔膜再発の1切除例

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  • A Resected Case of Solitary Recurrence in the Diaphragm 7 Years after Surgery for Hepatocellular Carcinoma

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抄録

症例は60歳の男性で,7年前に原発性肝癌(肝細胞癌)に対し,当科で肝外側区域切除が施行された.術後,他院で経過観察中にPIVKA-IIの上昇を認め,当科紹介となった.CT,MRI,Gaシンチなどで全身精査を行ったが病変を指摘できず,その間も腫瘍マーカーは増加傾向を示した.18F-fluorodeoxyglucose-positron emission tomography(以下,FDG PET)/CTで脾臓近傍の横隔膜を中心にFDGの強い集積を認め,肝細胞癌の肝外再発と診断し,手術を行った.腫瘍は横隔膜内を主座としており,横隔膜部分切除,脾合併切除を行った.病理組織学的検査では横隔膜内で主に発育進展した中分化型肝細胞癌を認め,原発性肝癌切除後の横隔膜再発と診断した.現在,術後3年経過したが,明らかな再発所見を認めていない.肝細胞癌の再発診断,治療方針決定にFDG PET/CTが有用であった.肝細胞癌の肝外転移は一般に予後不良だが,加療条件を選んだ積極的な切除で肝外再発後の長期予後を望める可能性があると思われた.

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