プライマリ・ケアにおける気分障害の認識と診断について(シンポジウム:うつ病の診断・治療上の問題点とコツ,2008年,第49回日本心身医学会総会(札幌))

書誌事項

タイトル別名
  • Mood Disorders in Primary Care(Symposium/Depression-Its Diagnostic Issues and the Knack of Treatment)
  • プライマリ・ケアにおける気分障害の認識と診断について
  • プライマリ ケア ニ オケル キブン ショウガイ ノ ニンシキ ト シンダン ニ ツイテ

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抄録

Goldberg&Huxleyモデルは,うつ病患者の受診経路を想定するためのフレームワークとして有用である.プライマリ・ケア領域においては,レベル2(プライマリ・ケア医療機関への受診者)からレベル3(プライマリ・ケア医が確認したうつ病患者)に円滑に通過させる第2フィルターが重要な要因となり,「プライマリ・ケア医のうつ病の認識および診断能力の向上」が鍵となる.さらに第3フィルター「プライマリ・ケア医療機関から精神医療サービスへの連携」が重要である.うつ病スクリーニングツールは,多忙なプライマリ・ケア医にとっては有用であるが,過剰診断傾向につながる危険性をはらんでいる.スクリーニングツールが内包している有用性と限界を十分踏まえたうえで使用することが望ましい.PRIME-MD(Patient Health Questionnaire)PHQ-9は,高い精度をもつため適切な患者情報を共有するためのツールとしては大変有用である.しかしスクリーニングされた症例について,気分障害の適切な診断と治療戦略のためには,十分な診断弁別能力および臨床能力が要請される.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 49 (9), 961-969, 2009

    一般社団法人 日本心身医学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (35)*注記

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