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Abstract
凍結真空乾燥法によるウイルスの保存に効果のある諸条件についての検討が本実験の目的である。今回は狂犬病ウイルスを用い,分散媒として二三の蛋白糖類等を選び,その濃度,pHその他の凍結真空乾燥時の条件,保存温度等について検討を試みた。使用した狂犬病ウイルスは伝研No.1号株,マウス脳内継代のものを用いた。発病後24時間以上経過したマウス脳をPhosphate Buffer Saline Solution (PBSと略称)を用いて50%乳剤とし,分散媒4に対し1の割合に混合し,最終濃度を10%として凍結乾燥を行つた。分散媒としては10%葡萄糖,3%脱脂乳,非働化馬血清(無稀釈及び4倍稀釈).10%葡萄糖+3%脱脂乳等量混合液及びPBSについて行つた。凍結真空乾燥過程の初期には,アンプル外層の温度を-20℃に保つた。凍結乾燥直後に非働化馬血清0.5%加蒸溜水を用いてこれを溶解し,マウス脳内に接種した。2週間観察後LD_<50>を算出し生存率の比較を行つた。乾燥後のウイルスの生残率をみると,用いた分散媒の範囲においては,10%葡萄糖+3%脱脂乳等量混合液並びに馬血清(無稀釈)において比較的良好な成績を示したが,その他のものについてはPBS単独に比し著明な差異を認め難い。今回の報告はまだその緒にすぎないが,ウイルスの濃度も考慮に入れて実験を行い,長期保存のために有効な乾燥条件を検討するとともに保存条件についても検討を加え,将来の生ウイルスワクチンの乾燥にまで発展させる予定である。
Journal
- 凍結及び乾燥研究会記録 [List of Volumes]
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凍結及び乾燥研究会記録 3, 5-13, 1960-07-17 [Table of Contents]
Japanese Society for Cryobiology and Cryotechnology