3)結核菌ファージの凍結乾燥  [in Japanese]

Abstract

従来,結核菌ファージは,その増強用培地にグリセリンが含まれていたためその凍結乾燥が困難であつたが,結核菌ファージがグリセリンを含まないHIB培地または普通ブイヨン中で充分増強できることを確かめ,これに基いて同ファージの凍結乾燥に成功した。即ち,我々が土壊中より分離した結核菌ファージY10株を用い,HIB培地または普通ブイヨン中で,抗酸菌獣調株を増強用菌株として通気培養を行つた結果,ファージは10^9ないし10^<10>のorderに増強されていることが分つた。現在知られている結核菌ファージは,獣調株に類似の非病原性抗酸菌によつて増強することができるから,この方法によつて全ての結核菌ファージを増強し得るものと考えられる。この増強ファージ液の1mlをアンプルに分注し。-20℃10分間予備凍結のうちBCL-IO-S型(徳田)により5時間凍結乾燥を行つた。その際室温は19.2±1.3℃,真空度はほぼ10^<-2>mm Hg,熔封後の含湿度は平均1.4%であつた。乾燥直後の活性残存率は,87.9%であり,これを37℃1ケ月保存後の成績は,51.5%で,非乾燥ファージ液の活性残存率が20.6%であつたのに比べて秀れた成績を示した。尚,adjuvantとして,当初HIB中にグルコースを0.3%, 0.5%, 1.0%, 1.5%に添加して増強と乾燥を行つたが,このグルコース添加は菌の増殖,ファージの増強,乾燥後の活性残存率及び保存のいずれに対しても有意の影響を与えなかつた。今後,結核菌ファージの凍結乾燥により,保存,輸送を容易におこないうるのみでなく。これを用いて任意の高濃度のファージ液を常時つくることができる。

Journal

凍結及び乾燥研究会記録   [List of Volumes]

凍結及び乾燥研究会記録 3, 13-15, 1960-07-17  [Table of Contents]

Japanese Society for Cryobiology and Cryotechnology

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Codes

  • NII Article ID (NAID) :
    110007369255
  • NII NACSIS-CAT ID (NCID) :
    AA12415257
  • Text Lang :
    JPN
  • ISSN :
    02888289
  • Databases :
    NII-ELS