6)酵母に及ぼす低温の影響(第一報)  [in Japanese]

Abstract

生細胞の凍結乾燥に関する研究を行うにあたつては,まず前提条件としての凍結による影響を検討しなければならない。我々は,これまで,微生物が凍結によつてどんな機能的形態障害をうけるかを,種々の角度から観察してきたが,今回はもう一度基礎条件から吟味することを志し,冷却の温度,速度及び時間をいろいろ組合せることによつて,細胞障害の機序を明きらかにしたいと考えた。実験には,従来同様,Saccharomyces cerevisiaeの蒸溜水浮遊液を用い,種々の条件のもとで凍結融解を行つた。結果の判定としてPlate countによる生菌数測定をとりあげた。その成績を要約すれば1)冷却の温度が低くなるほど生残菌は減少するが,-50℃あたりより低いところでは余り変らなくなる。2)一方,温度と生成される氷の量との関係をみると。細脳内水分のうち凍りうる水は-20℃くらいまでに大部分凍つてしまう。3)冷却速度によつても生残菌数は異なり,10℃/min附近のものが最も生残菌が多く,それより速度が速くても遅くても生残菌は少くなる。4)従来多くの生細胞についていわれているCritical temperature range(細胞に対して最も障害の強く現われる温度範囲内では,時間の経過による生残菌数の減少がかなり著しい。Critical rangeをなるべく障害少く通過できれば,あとは冷却の温度や速度によつて殆ど影響されない。要するに,Critical rangeでの処理のしかたが問題で,このことは生細胞の凍結乾燥にあたつても,充分に考慮すべき点であると思われる。

Journal

凍結及び乾燥研究会記録   [List of Volumes]

凍結及び乾燥研究会記録 3, 38-49, 1960-07-17  [Table of Contents]

Japanese Society for Cryobiology and Cryotechnology

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Codes

  • NII Article ID (NAID) :
    110007369258
  • NII NACSIS-CAT ID (NCID) :
    AA12415257
  • Text Lang :
    JPN
  • ISSN :
    02888289
  • Databases :
    NII-ELS