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Abstract
従来,牛精子の凍結乾燥を試みたものはすくなくないが,殆ど失敗しており,僅かに1957年にJuschtsc henkoの成功例が報告されているにすぎない。最近Merymanがグリセリンを加えない試料で凍結乾燥を行い,復水後の運動性及び受胎能を確認したという。我々はMerymanの方法を追試したところ,僅かに1回成功しただけで,種々条件を変て数十回に亘り実験をくりかえしてみても,ついに再び成功するに至らなかつた。最近Merymanから受取つた私信によれば,彼の発表以来追試者は非常に多いが,まだ1人も成功したものはないということである。こゝでは我々が試みた方法並にその成績について報告し参考に供したい。常法に従つて,牛精液を卵黄クエン磯ソーダ液に稀釈し,そのまま又グリセリンを種々の濃度に加えたものを試料として用いた。これを1滴ガーゼに侵し容量凡そ10cc容器中に吊して乾燥器に接続し,急激に真空にすると蒸発の潜熱のために試料は速かに冷えて自働的に凍結し,更に-20℃乃至-25℃まで温度は低下する。2〜3分経過して乾燥が進むと温度は漸次上昇し,5〜6分で乾燥が終了すると室温まで戻る。我々の成功例では,グリセリンの有無に拘らず復水後の運動性はかなり良く例えば無処置対照の50%に対し,5分乾燥の卵黄クエン酸液復水で40%,1時間乾燥のグリセリン加卵黄クエン酸液復水で37%であつた。この外に,真空度,乾燥速度,容器の大小,ガーゼの質,試料の量,メジウムの種類等いろいろ検討をくりかえしてみたが,いずれも復水後の活力は0またはそれに近く,所期の成績は得られなかつた。
Journal
- 凍結及び乾燥研究会記録 [List of Volumes]
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凍結及び乾燥研究会記録 3, 55-61, 1960-07-17 [Table of Contents]
Japanese Society for Cryobiology and Cryotechnology