10)乳酸菌の凍結乾燥におけるグルタミン酸の保護効果について  [in Japanese]

Abstract

グルタミン酸は、BCG,乳酸菌,大腸菌,淋菌のごとく、その代謝様式を異にする広汎な細菌菌種の凍結乾燥に保護作用を示すことが多くの研究者によつて明らかにされた。グルタミン酸の保護効果について、大林,MILLERは菌の代謝作用と関連させて考察した。GREAVESはSCOTT説を援用して、アミノ・カルボニル反応のcompetitionとして説明し、また大林はグルタミン酸の親水性に注目している。演者らは、乳酸菌の凍結乾燥の分散媒として、グルクミン酸ならびにその類縁化合物を撰び、凍結乾燥過程における保護効果を、乾燥直後の生残率で比較した。(1) Streptococcus cremoris H61 (10^9 cell/ml)は、グルタミン酸(0.06M, pH=7)を分散媒として凍結乾燥すると、46.1±8.0%の生残率を示したが、グルタミン、アスパラギン,ノルバリン,γ-アミノ酪酸,グルタール酸では生残率が著しく低下した。(2) アスパラギン酸,γ-アミノ・ピメリン酸,リンゴ酸,システイン酸は、Str・cremoris H61に対して保護効果を示した。(3) Streptococcus, Lactobacillus, Leuconostocに属する多くの菌種について実験中であるが、一般にグルタミン酸を基準にして、メチレンの数を増減しても(アスパラギン酸,γ-アミノ・ピメリン酸),カルボン酸基をスルフオン酸基に置換しても(システイン酸)、またアミノ基を水酸基に変えても(リンゴ酸),凍結乾燥において保護作用を示すと考えられる。(4) D-グルタミン酸を用いた実験成績から、グルタミン酸の光学的活性は保護効果とは無関係であつた。これらの成績から、乳酸菌の凍結乾燥におけるグルタミン酸の保護効果は生理学的なレベルではなく、物理化学的レベルで発揮されると考える。

Journal

凍結及び乾燥研究会記録   [List of Volumes]

凍結及び乾燥研究会記録 4, 66-75, 1961-04-08  [Table of Contents]

Japanese Society for Cryobiology and Cryotechnology

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Codes

  • NII Article ID (NAID) :
    110007369281
  • NII NACSIS-CAT ID (NCID) :
    AA12415257
  • Text Lang :
    JPN
  • ISSN :
    02888289
  • Databases :
    NII-ELS