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Abstract
多くの動植物細胞では、凍結条件によって細胞内に氷晶のできることがあり、このような細胞は融解後殆どすべて死滅することが知られている。微生物に於ては僅かに酵母についての成績が報告されており、それによれば、緩慢凍結では細胞外凍結をおこして細胞は脱水収縮し融解緩も殆ど生残するのに反し、急速凍結では細胞内凍結をおこし融解の結果死滅することがみとめられている。しかし酵母より形態の小さな細菌では、光学顕微鏡によって凍結状態にある菌体の微細構造を観察することは不可能なので、果して細菌に於ては細胞内凍結をおこすものかどうか、まだ確認されていない。演者はE. coli及びBac. megatheriumを試料とし電子顕微鏡を用いて2つの方法で検討を試みた。1つは冷却装置を利用して凍結状態から乾燥までの全過程を観察することであり、1つはWilliamsの方法に倣って作った凍結乾燥標本から凍結状態をうかがおうとするものである。その結果は、酵母細胞では容易に細胞内凍結がみとめられるような凍結条件であっても、E. coliでは細胎内に氷晶の形跡と思われるような形態のものを証明することは甚だ困難であり、種々凍結や乾燥の条件を変えて検討してみても、酵母にみられるほどの定型的な所見はえられなかった。Bac. megatheriumに於てもE. coliとほゞ同様であった。このような形態的所見と生物学的な結果即ち凍結融解後の生残率は大腸菌は酵母よかはるかに高いという事実と考え合せると、E. coliやBac. mega.は凍結に対して抵抗が強く細胎内凍結を起しにくいものであろうと思われる。
Journal
- 凍結及び乾燥研究会記録 [List of Volumes]
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凍結及び乾燥研究会記録 5, 20-24, 1962-04-07 [Table of Contents]
Japanese Society for Cryobiology and Cryotechnology