5. 分散媒の保護効果と化学構造 : グルタミン酸とアルギニンの保護効果を中心にして(一般演題)  [in Japanese]

Abstract

Streptococcus cremoris, Lactolacillus arabinosus, Micrococcus lysodeikticus, Escherichia coli,およびAerobacter aeroqenesの凍結乾燥における分散媒として、グルタミン酸と化学的に関連がある各種化合物の保護効果を検討した。(本報における保護効果は、凍結乾燥過程における菌の死滅を防止する作用に限定する。)次に挙げる物質はグラム陽性菌、陰性菌を通じて保護効果を示した:アスパラギン酸、リンゴ酸、システイン酸、スレオニン、ピロリドンカルボン酸、アセチルグリシン、マロン酸、α-メチル・グルタミン酸、N-アセチル・グルタミン酸、N-ジメチル・アスパラギン酸。またアミノマロン酸、タルトロン酸、α-アミノピメリン酸、α-ケトグルタール酸はグラム陽性菌に対してのみ保護作用を示した。これらの化合物は、水素結合性官能基(-NH_2、-NH-OH、=0)と共に、酸基(主として-COOH)を有する点に特徴があり、水や細菌細胞に対する強い親和性が予想される。次に、グルタミン酸では比較的、保護されにくいL. bulgaricusを試験菌として、アルギニンが強い保護作用を有することを見出した。リジンにも多少保護効果が認められたが、ヒスチジンはまったく無効であった。また関連化合物の内で、グアニジン、グアニド酢酸、クレアチン、シトルリンには保護作用がなく、カナバニンが僅かに保護効果を示した。多数のlactobacilliにおける成績によれば、アルギニンとグルタミン酸は強い保護効果を示し、スレオニンを除く中性アミノ酸はすべて無効であった。(ただし生残率は一般にグルタミン酸の方がやや大きい。)グルタミン酸とアルギニンの保護作用が同質のものであると断定することは未だ出来ないが、分散媒として有効な化合物は、陰陽を問わず、極性を有する点は注目に値する。さらにアルギニンの効果から連想して、ポリアミン(スペルミン、スペルミジンなど)の保護効果を検討した。ポリアミンは、細菌細胞、プロトプラスト、ミクロゾーム、核蛋白質などを安定化することが知られているが、現在までの実験では凍結乾燥過程における保護作用は認められなかった。以上の実験成績を基として、分散媒として有効な物質の化学的特徴を論ずる。

Journal

凍結及び乾燥研究会記録   [List of Volumes]

凍結及び乾燥研究会記録 7, 32-41, 1963-04-09  [Table of Contents]

Japanese Society for Cryobiology and Cryotechnology

Preview

Preview

Codes

  • NII Article ID (NAID) :
    110007369317
  • NII NACSIS-CAT ID (NCID) :
    AA12415257
  • Text Lang :
    JPN
  • ISSN :
    02888289
  • Databases :
    NII-ELS