日本人成人の腋窩動脈について(1)

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  • The Axillary Artery in Japanese Adults (I)

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抄録

日本人成人50体,100体側例の腋窩動脈の各動脈の分岐形態等について検索し,2,3の興味ある所見を得たので報告する。1. Nomina Anatomica (NA)に記載された6動脈〔最上胸動脈,胸肩峰動脈,外側胸動脈,肩甲下動脈,前上腕回旋動脈および後上腕回旋動脈〕の単独枝分岐の頻度は,それぞれ86%, 69%, 45%, 45%, 64%および25%であった。また腋窩動脈全体の分岐形態として,6動脈がすべて単独枝型が16%で最も頻度が高かった。2. NAに記載のない,a)腹部枝(Rab,佐藤,'76;下胸筋神経と併行して,主に大胸筋腹部筋束に分布),b)上肩甲下動脈(Sss, Huelke, '59;上肩甲下神経と併行して,主に肩甲下筋の上部筋束に分布),c)烏口腕筋動脈(Cb,佐藤, '80;筋皮神経に併行して,主に烏口腕筋に分布),d)烏口突起動脈(Pc,佐藤・高藤, '85;烏口突起付近に分布)の4動脈の単独枝分岐の頻度は,それぞれ44%, 39%, 90%および62%で,欠如頻度もそれぞれ14%, 0%, 1%および32%であったので腋窩動脈の常在型の動脈と考える。3.今まで報告例のない,後上腕回旋動脈が2本存在するものを2例(2%)認めた。4.破格動脈の浅上腕動脈が10%出現した。

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