ヒトの外側肋骨枝(外側乳腺動脈)について

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  • Studies on the Human R. Costalis Lateralis : Lateral Mammary Artery

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抄録

日本人成人20体・40体側例を検索し,出現頻度の稀な破格であるR. costalislateralis (Rcl)を2体・3体側例(7.5±4.16%)に認めたので報告する。例1および2:77歳の女性の左側および右側。共に肩甲上動脈(Ss),内胸動脈(Tin)およびRclが共同幹を形成して鎖骨下動脈より分岐していた。左側のRclは外側腋窩線を第3肋骨の下縁にまで至り,右側のRclは第4肋骨下縁まで達し,それぞれ同じ高さの肋間動脈と吻合していた。上記の共同幹からRclが分岐した例はいまだ報告がない。例3:85歳男性の左側に出現した。甲状頚動脈(Ttc)から分岐したTinからRclが分岐し,Rclは第2肋骨の下縁にまで達していた。Rclの出現機序は,胎生期に存在する背側節間動脈を縦に吻合する前,後および外側の血管系の中で,外側の縦吻合血管が残存したものと推察できる。

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