パラフィン包埋切片上のKi-ras癌遺伝子m-RNAを標的とするrTthポリメラーゼを用いたin situ RT-PCRの最適実験条件 : 特にその試料前処理法について

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  • The Optimal Conditions for in situ RT-PCR Using rTth DNA Polymerase for the Detection of Ki-ras Oncogene m-RNA with Special Reference to the Pre-treatment of the Paraffin Embedded Section

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抄録

マウス肝組織のパラフィン包埋切片においてKi-ras癌遺伝子のm-RNAの発現状態を検出するために,同m-RNAを標的とするプライマーとrTth DNAポリメラーゼとを使用して行うin situ RT-PCRの際の組織固定法,ペプシン消化法, DNase消化法及びポリメラーゼ連鎖反応の最適実験条件を検討した。深麻酔下のマウスに対して,左心室から10%ホルマリンを含む等張リン酸緩衝液を用いて灌流固定を行った後,肝臓を摘出し,更に5×5×2mm以下に細切して浸積固定を16時間行った。この組織標本から作成したパラフィン包埋切片(5μm)についてペプシン溶液(2mg/ml, 0.1N HCl)を用いて37℃6分〜7分間の蛋白消化処理を行い,次いでDNase処理を室温にて18時間行った。この切片に対して,更に上記固定液により後固定を行った後,Ki-rasプライマー, rTth DNAポリメラーゼ, digoxigenin (DIG)-11-dUTPを用いてRT-PCRを行った。先ず94℃-3分, 57℃-60分で逆転写反応を行った後, 94℃-1分, 55℃-1分, 65℃-40秒のサイクルを20回繰り返してPCRを行った。その後ペルオキシダーゼ標識抗DIG抗体, diaminobenzidine (DAB)を用いて発色した。これらの実験条件により安定した結果が得られることが明らかになった。

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