重症男性不妊に対する顕微授精の臨床応用に関する研究

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  • Clinical Application of Microfertilization for the Treatment of Severe Male Infertility

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抄録

重症男性不妊の治療として,囲卵腔内精子注入法(SUZI)と卵細胞質内精子注入法(ICSI)を臨床応用した。重症男性不妊の体外受精(10周期)とSUZI(27周期)の受精率は,3%と18%で,妊娠率は0%と11%と,ともにSUZIにより改善したが,男性因子正常者の体外受精の受精率66%,妊娠率27%に及ばなかった。ICSIの受精率,妊娠率は,改良前(15周期) 17%,0%,改良後(74周期)63%,34%と,技術改良で著しく改善した。最も重症な男性不妊である無精子症で精巣精子を用い,改良ICSIを施行,4例中2例の妊娠を得た。また,重症男性不妊の精子と凍結ハムスター卵でICSIを行い,成績改善の要因を基礎研究した。精子懸濁液の運動精子濃度が高いと受精率が低下し,これは培養液の交換で回復した。また,培養液中endotoxin濃度は高精子濃度で高く,受精率低下にendotoxinの関与が示唆された。技術改良したICSIは,重症男性不妊の治療に著しく有用であることが示された。

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