シスプラチン投与による細胞核内可溶性プロテイン・キナーゼ活性と癌遺伝子の発現の変動

  • 長島 鎮
    杏林大学大学院医学研究科外科系外科学(II)専攻

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タイトル別名
  • Effect of Anticarcinogenic Agent on the Activity of Soluble Nuclear Protein Kinase and the Expression of K-ras Oncogene and p53 Suppressor Oncogene in Liver and Tumor Tissue in Mice

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抄録

細胞核内に存在する可溶性プロテイン・キナーゼ(PKase)の役割を明らかにするため,腫瘍(Meth A)細胞を移植したBALB/c系マウスにシスプラチンを投与し,腫瘍組織における本酵素活性の変動と癌遺伝子発現量の変動との関係を調べた。対照には正常マウス肝を用いた。腫瘍組織の細胞核より低張緩衝液でPKaseを抽出し,さらにDEAE-セファロース・カラム・クロマトグラフィーを用いて分画した。腫瘍組織では核可溶性PKaseの活性が正常組織より高いが,シスプラチンの投与により,その活性は0.15M NaClを含む溶出分画では低下し,0.3M NaClを含む分画では逆に上昇した。これに伴って癌遺伝子及び癌抑制遺伝子ともにその発現量が増大した。

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