腎疾患患者における血清TIMP-1値の検討

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  • Serum Level of Human Tissue Inhibitor Metalloproteinase-1 in Various Glomerulonephritides

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抄録

Tissue inhibitor metalloproteinase (TIMP)は細胞外基質の代謝調節の役割を演じていることが知られている。TIMPはhuman tissue inhibitor metallo-nroteinase-1 (hTIMP-1)とhuman tissue inhibitor metalloproteinase-2 (hTIMP-2)の2種類が存在するが,hTIMP-1はhTIMP-2に比べ酵素学的に重要な役割を演じており,メサンギウム細胞から分泌される。そこで,我々は各種腎疾患でone-step sandwich酵素抗作法により血清hTIMP-1値を測定を行った。その結果,ループス腎炎と膜性増殖性腎炎では他の腎症に比べ血清hTIMP-1値が高値を示した。IgA腎炎及びループス腎炎を伴った患者においては組織学的に進行した症例でhTIMP-1値が高値を示した。また,血清hTIMP-1値は24時間尿中蛋白量と正の相関を認めた。しかし,血清hTIMP-1値はクレアテニンクリアランスとの間には相関は認めなかった。これらの結果から細胞外基質の増加を伴う腎炎及び尿蛋白の出現に,血清hTIMP-1が関与している可能性があると考えられた。

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