60歳代男性における健康寿命に関する研究 : 健康習慣と免疫機能との関係

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タイトル別名
  • Report of Health Care Program on Elderly Men at Community : Relationship between Immune Senescence and Healthy Habits

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抄録

目的:本研究の目的は,健康習慣と60歳代男性における免疫担当細胞の老化および精神的健康度との関係を明らかにし,高齢男性の健康寿命をより伸延する方法を検討する.方法および対象:Y町における住民基本検診を受診し,本研究の承諾の得られた60歳代男性100名を対象とした.健康習慣が記載され,免疫能の検査結果が明らかであった65名(65.0%)を分析対象とした.健康習慣は,運動習慣,喫煙習慣,飲酒習慣,睡眠習慣,朝食摂取の有無,間食習慣,肥満に関する7項目の得点の合計を,健康習慣指数(Health Practice Index, HPIと略す)とした.精神的健康度は日本版精神的健康票(The General Health Questionnaire, GHQ)の身体的症状,不安と不眠,社会的活動障害,うつ傾向の4因子からなる28項目版を用いて評価した.免疫機能は,リンパ系細胞を測定し,評価した.分析は健康習慣を,7つの生活習慣のうち,守っている望ましい生活習慣が6つ以上の非常によい健康習慣群を「good HPI群」,守っている望ましい生活習慣が5つ以下の健康習慣群を「poor HPI群」として,この2群に分けた.両群の各免疫担当細胞およびGHQ28の平均値について,t検定を用いて比較検討した.結果および結論: 60歳代男性において,非常に良好な健康習慣群は,精神的健康度が高かった.高齢男性において非常に良好な健康習慣群は,NK細胞活性が高かった.高齢男性において非常に良好な健康習慣群は,CD4/CD8比が減少し,老化に伴い低下するといわれるCD8の占める割合が,比較的高く維持されていることが示唆された.

収録刊行物

  • 老年看護学

    老年看護学 7 (1), 45-51, 2002

    一般社団法人 日本老年看護学会

参考文献 (33)*注記

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