石川県のニホンカモシカ(<i>Capricornis crispus</i>)に感染しているパラポックスウイルスの遺伝学的解析

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  • Molecular Characterization of Parapoxviruses from Infected Wild Japanese Serows (<i>Capricornis crispus</i>) in Ishikawa Prefecture(Virology)

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抄録

2008年石川県白山地域の異なる2地区で保護され,パラポックスウイルス感染症の疑いで病性鑑定を実施したニホンカモシカ2頭についてウイルス分離,およびウイルスエンベロープ領域の塩基配列解析を実施した。PCRでパラポックスウイルス特異的遺伝子が検出され,遺伝子解析によりオーフウイルスと同定した。2頭それぞれの病変部からウイルスが分離され,IJSO81株とIJSO87株と命名した。分離した2株のPCR産物から塩基配列を決定し比較したところ,別時期,かつ異なる地域で発症した2頭から分離したウイルスでありながら同じ配列を有していた。さらに,1985年に隣の岐阜県のニホンカモシカから分離したS-1株とも完全に一致していた。以上より,白山地域一帯のニホンカモシカに感染しているパラポックスウイルスは,遺伝的に同一あるいは極めて近いウイルスであり,さらにエンベロープ領域は20年以上にわたり安定的に維持されていることが示唆された。

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