小麦依存性運動誘発アナフィラキシー患者におけるアスピリン食前投与誘発に対するプロスタグランディンE1製剤の抑制効果について

書誌事項

タイトル別名
  • THE INHIBITION EFFECT OF A SYNTHETIC ANALOGUE OF PROSTAGLANDIN E1 TO THE PROVOCATION BY ASPIRIN IN THE PATIENTS OF WDEIA
  • コムギ イソンセイ ウンドウ ユウハツ アナフィラキシー カンジャ ニ オケル アスピリンショク ゼン トウヨ ユウハツ ニ タイスル プロスタグランディン E1 セイザイ ノ ヨクセイ コウカ ニ ツイテ

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抄録

【背景・目的】小麦依存性運動誘発アナフィラキシー(Food-dependent exercise-induced anaphylaxis:WDEIA)誘発における運動やアスピリン摂取は,血中グリアジンを上昇させる.消化性潰瘍治療薬の1種でありプロスタグランディンE1(PGE1)誘導体であるミソプロストールは,アスピリンにより低下する消化管粘膜のPGを補充し,腸管粘膜を保護する.WDEIA患者におけるアスピリン誘発に対するPGE1製剤の抑制効果を評価する.【対象・方法】小麦摂取後運動時のショックの現病歴,血液検査や皮膚テストよりWDEIAが疑われた2例を対象とした.小麦摂取と運動やアスピリンを組み合わせて膨疹の誘発や血中グリアジンの経時的変化をみる負荷試験を施行し,PGE1製剤前投与による抑制効果をみた.【結果】2例とも運動負荷のみでは変化なく,アスピリン前投与を加えることで血中グリアジン上昇と膨疹の誘発をみた.2例ともアスピリンと共にPGE1製剤の前投与にて,血中グリアジンの上昇と膨疹誘発は抑制された.【結論】PGE1製剤はアスピリンによるWDEIA誘発において,アレルゲン吸収を抑制し,症状誘発を防止できる可能性がある.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 58 (10), 1418-1425, 2009

    一般社団法人 日本アレルギー学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (17)*注記

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