KL-6,SP-DおよびDLcoの経時的変化を長期にわたり観察しえた,鳩多数飼育による急性鳥飼病の1例

書誌事項

タイトル別名
  • THE SEQUENTIAL CHANGES OF THE SERUM LEVELS OF KL-6, SP-D, AND DLCO WERE FOLLOWED FOR A LONG TERM IN A CASE OF ACUTE BIRD FANCIER'S LUNG
  • 症例報告 KL-6,SP-DおよびDLcoの経時的変化を長期にわたり観察しえた,鳩多数飼育による急性鳥飼病の1例
  • ショウレイ ホウコク KL 6 SP D オヨビ DLco ノ ケイジテキ ヘンカ オ チョウキ ニ ワタリ カンサツ シエタ ハト タスウ シイク ニ ヨル キュウセイトリカイビョウ ノ 1レイ

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抄録

KL-6, SP-DおよびDLcoの経時的変化を長期にわたり観察しえた,鳩多数飼育による急性鳥飼病の1例を経験したので報告する.【症例】52歳,男性.2006年10月初旬より乾性咳嗽,労作時呼吸困難(H-J III度)が出現し同年11月中旬に発熱を認め当院受診.低酸素血症と胸部CT上両肺野に広範なスリガラス状陰影を認め入院した.喫煙歴はなく,鳩12羽を5年間自宅の一室で飼育していた.BAL施行後に抗原回避のみで1週間経過観察を行ったが症状や画像所見の改善がなく,呼吸不全を呈していたためmPSL500mg/dayを3日間点滴後,PSL30mg/dayより漸減したところ軽快した.入院後に行ったBALではリンパ球比率72%,CD4/CD8比2.67で抗PDE(pigeon dropping extracts)抗体は強陽性で,急性鳥飼病と診断した.同年12月に転居の上で退院し外来で経過観察を行った.入院時KL-6,SP-Dも抗原回避のみでは低下せず,ステロイド治療による症状および画像所見の改善後もKL-6,SP-Dとも高値が遷延し,正常化までにSP-Dは8ヵ月,KL-6は18ヵ月を要した.また,平行してDLcoも徐々に改善していることより,急性鳥飼病における肺障害は可逆性であるものの,長期間をかけて回復し,特にKL-6が呼吸機能とともにその回復状況を反映したと考えられた.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 58 (10), 1433-1440, 2009

    一般社団法人 日本アレルギー学会

参考文献 (10)*注記

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