気管支鏡下アルゴンプラズマ凝固後区域切除を行った気管支原発神経鞘腫の1例

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タイトル別名
  • Endobronchial Schwannoma Treated with Endobronchial Argon Plasma Coagulation Followed by Segmentectomy

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抄録

背景.神経鞘腫は気管支原発の良性腫瘍の中でも発生頻度は少ない.今回,気管支鏡下アルゴンプラズマ凝固後区域切除を行った1例を経験したので報告する.症例.59歳男性.発熱を主訴に受診,左下葉の市中肺炎の疑いで入院.抗菌薬で改善に乏しく,胸部CT上左下葉支の閉塞が疑われたため,気管支鏡検査を施行した.左下幹入口部に表面平滑で光沢のある黄白色の粘膜で覆われ,軽度の血管増生を伴うポリープ状腫瘤を認めた.同部位の生検から神経鞘腫と診断された.アルゴンプラズマ凝固を繰り返して下幹は開通し,未だ閉塞している左B^6が原発と考えられた.さらなる凝固は照射可能範囲や合併症を考慮すると難しく,左S^6区域切除術を施行した.結果.アルゴンプラズマ凝固のみでは切除が難しく,手術を併用することで治療を完遂することができた.術後1年半の間再発を認めていない.結論.本症例は気管支鏡によるアルゴンプラズマ凝固により切除範囲を縮小できた.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 31 (6), 397-402, 2009

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

参考文献 (14)*注記

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